これで良い。
 これで良かったんだ。


「は・・・・っぁ・・・・っ
 んぁ・・・んっ・・・ぁっあき・・ひこ・・・っ」


 俺は秋彦が好き。


「ッ」


 片思いでも、秋彦が好きで。
 報われないと分かっていても、

 好きで、
 好きで。

 想いが止まらない。

 そのくせ、臆病で。
 愛する人と、親友をいっぺんに失くす勇気がない。
 
 
 こんな俺は、秋彦に愛される資格がないと分かっている。


 けれど


「秋彦・・・・っ」 


 冷たい手が、熱を帯びた頬を冷やしていく。
 大好きな声が、甘い響きを宿して鼓膜を犯す。
 自分勝手な欲望が、ぬくもりに溶かされていく。
 膨れ上がった情熱が、開放を待っている。
 俺はそこを扱きながら、秋彦の吐息に激しく興奮した。


 これで良い。
 これで良かったんだ。


 疑うことすら、今は怖い・・・・・。


 まるで流れ星に願うような恋。


 いつ現れるか分からないけれど、目を凝らして、明日を照らす星を探す。
 見つけたとしても、それは今にも消えそうな流れ星。
 必死に願いを繰り返すけれど、流れる星は待ってはくれない。


 願いを言い終わるより、「消えるな!!」と叫ぶ俺がいた。


 消えるなっ
 消えないでくれっ


 叶わないと知っていたけれど、
 望みがあるなら、
 望みがあるのなら、消えないでくれ。



「・・・たかひ・・・ろ・・・・・っ」



 流れ星は、俺の指の間をぬけて、夜空の彼方に落ちていった。