「ひろさん、指、凄い深爪してるじゃないですか」
「あー・・・・そうだな。仕事早く片したくて適当に切ったから」
「駄目ですよこれじゃ。いつか割れたりして、怪我しちゃいますよ」
「しつこいぞっ本人が良いって言ってんだから良いんだよ!」
「俺が良くないんです」
「お前は俺のなんなんだ!!」
「今度、俺が切ってあげま」
「良い!んなことしてる暇あったら勉強しやがれ!!」

 ぺろ。

「のわ」
「ほら・・・深爪すると、
 普段爪で隠れてた部分が触れるようになるんです・・・」
「触らんで良いっ触ら・・・んっ」


 野分の舌が弘樹の柔らかい部分を刺激する。
 ほんの些細な悪戯心だったが、弘樹の反応の良さに火がつく。
 甘皮一枚隔てた向こう側の神経を舌で誘えば、甲高い声が出てくる。

「んぁっ」


 可愛い・・・・・。


 思わずかぷりと歯をたてると、先走ったように弘樹の腰がびくりと動く。

「ヒロさん・・・・」
「!?」

 弘樹の足の付け根を優しく触る。
 怯えさせないように、ゆっくりと膝をつき、見上げる。
 視線はぶつかることはなかったが、その顔は真っ赤だった。
 口に手をあて、声を殺している姿がまた一層可愛らしい。


「好きです・・・・」


 気付けば指よりもっと感じやすいところを、舐めていた。